2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

句会去る背中キラキラ気化なせる/西鶴

栄養のあるパンケーキを想像してこれはお好み焼きだと思う、って短歌を作った人はケークサレなんてキラキラネームにごまかされない。

書いてきた詩が咲く大奥探したき/定家

くだけたい恋を気ままにはね返すモホロビチッチ不連続面、って短歌を作った人はモホロビチッチ不連続面が何であるか覚えていないに違いない。

刷り上げた詩にて餌さえ手にしたげ/アリス

結ばれるために生まれた風たちが笑って飛ばす超ひも理論、って短歌を作った人が超ひも理論を理解しているとは思えない。

軽さから多き難なき大らかさ/ルカ

どうしたって文学欲より食欲が優先されてしまうではないか/角田光代、って『よなかの散歩』で見つけた偶然短歌。初句と結句を字余りにすることで定型の遵守に優先するものの存在を示唆している。

根は良い子どけたいと説いたけど恋/ヨハネ

汚さないよう大切にしまっておいた本を何年ぶりかで見て、何でこんなのが大切だったんだろう、と捨てたことが何度もあります。気に入った服はたんすを肥やしてるし色鉛筆は好きじゃない色ほど短い。もちろん命も大切にしています。

凝るまいよデミグラスすらグミで良い/マルコ

この気持ち、わかります、僕も仙豆が欲しいとか光合成できたらいいのにとか思う小学生でしたから。アニメに登場する子供の食い意地にまったく共感できないですもん。

板前ぞミンチ類ボイル珍味添え/マタイ

小麦粉をこねたべたべたしたものが焼くとさくさくになるの楽しい。乾燥した米がふっくら炊けると嬉しい。ありふれた言葉で特別を書いた短歌は素晴らしい。