2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

撮る家電カメラときどき虎めかん/デカルト

また来やがった、いい加減にしてほしいな、そりゃあ最初は斬新だったんだろうけどとっくに形骸化してんだよ、いいか、オレは追い詰められた犯人の心象の具現化なんだ、それを表面だけ真似るから笑われんだぞ、いやしかしそうは言っても、問題が解決すると青…

盗る馬鹿は余計敵来て行けよ墓/バルト

借金を返すために盗んだ、盗んだ金は温泉旅行に使った、ってとことん計画性のない犯人である。計画的な犯罪のほうが悪質だとは思うが刑が重くなるのは疑問だ。計画性が高いほど減刑されるようにすれば思慮深い人が増えて犯罪が減るんではあるまいか。幸せを…

する減塩やめた飲み会神のためやん/エンゲルス

やばい、味なくなってきた。捨てられる。ペッ、て道に吐き捨てられる。早う忘れたいと思いつつ何べんも噛みしめてまう記憶みたいに、どないしたらなれるんやろ。捨てられたら踏んづけられて溜め息つかれてどっかの角になすりつけられる。嫌や。ずりずりずり…

透くるまで見る手一日凍てる身で/マルクス

転職しようかな、と手相見は思った。 @ はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る/石川啄木

はっ馬鹿な様子かもモカ吸う夜中/バッハ

忘れたんか。香り高いて目立つとこに書いたあるくせに原材料欄に香料てあるコーヒー見てアホちゃうかていっしょに笑うたやないか。せやけどまあ香りが高いほうがおいしいんは事実やさかい、砂糖やら牛乳やらとおんなじか言うて、できたら入れてほしゅうない…

知己もない名もない親しい菜もないな/茂吉

おれはだめな男だ、というのが夫の口癖でした。そんなことないわよ、と慰めながら、あんたがだめなのは男としてじゃない、人間としてだ、とわたしは思っていました。だから余命一年と宣告されたときは、うれしかった。そんなに嫌なら別れればいいじゃないか…

字読みなば俺かの夜々の枯れ尾花/三四二

祖父が三四郎、父が勇二だからと知って三四二が不思議な名前でなくなったことを326は残念に思うだろうか。一十百と書いてモトカズと読ませる名前を新聞に見つけたら百十一でカズトモのほうが自然な感じがするけど尻上がりとか末広がりとかいう意味が込め…

鬱金手に死なば子守りも小咄に/天功

宝石店のようなその美術館に、展示されているのは紐だった。長い紐。細い紐。鮮やかな紐。滑らかな紐。紐こそ世界を解く鍵なのです、と館長は私の頭に手を伸ばす。ほこりでもついてたかなと思うまもなくするするするするするするするするするするするするす…