2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

旅の果て偉大な身みな抱いては/のび太

ドラえもんの最もすごいのは、使うべき道具を選べることじゃないか。その機能がなければ、のび太は話し相手としてしかドラえもんを使えない気がする。いつかグーグルはドラえもん並みの答えをくれるようになるんだろうか。財布と相談するなんてのももうすぐ…

ありましたわるい子いい子いる私/マリア

古い古いエロ本を処分しながら、消費者金融の広告の多さに驚きました。エロ本って、お金に困ってる人が読むものだったのか。エロ本を読んでばかりいると貧乏になるぞって警告なのか。投票に行きましょうってニュースが宣伝してたけど、ニュースをわざわざ見…

意図すると痛いですああ素でいたい/トルストイ

素直な意見は、悪意に比べて、意図がわかりにくくて気味わるいのかな。頑張ってる姿を見せないのが格好よかったのは頑張るのが当然だったからだろうか。頑張らなくても死ななくなったから頑張ってる姿を見せないといけなくなったのか。頑張ることより頑張っ…

数学や北風は爆ぜ仇役/ガウス

何人かに打診したけど誰も授賞式に来たがらないから、じゃあ二度と誘ったげない、というのがノーベル賞に数学がない理由だったりしないかな。どうして僕はペレルマンじゃないんだろう。伝記の数学者って勉強してないのに解けたりするじゃないですか。そうい…

俺理学得意さくさく細工解く/ガリレオ

読んだまま、というのが最初の印象である。しかし本当にそうだろうか。筆者はこの作者に関する詳細な情報を持たないが、きっと優れた科学者なのだろう。そう感じさせる力がこの句にはある。俺理学という学問が存在するかのごとき自信がみなぎっているではな…

何度舞う心抱かんかだろ孤高/マドンナ

たとえば、回文と検索して出てくるのは回文ではなく、回文という語が書かれたページです。回文であると明示されていない回文はどうすれば見つけられるのか。ほんとうに美しい回文は誰にも気づかれずひっそりと輝いている、という幻想というか妄想というか理…

流刑待つ罪を放りたり火を見つつ/マイケル

放屁を恥じているのである。焼き芋を食べすぎたのだろう。一緒にたき火を囲んでいる友人の顔を直視できなくて、一心に火を見つめている。思春期の少年にとって放屁は流刑に値する罪なのだ。けれど安心していい。その放屁は将来、美しい音楽を創作する音色の…

来世にも生きやすきキス焼き芋に/セイラ

自分の行為が世の中を良くすると信じられる状態を幸せというのじゃないかしら。世の中が広がるほど難しくなる。自分に似合う歌を作るのと歌に似合う自分を作るのと、どちらが幸せになれるだろう。この壷を買わないと不幸になりますよってのは犯罪なのに、こ…

ROM荒らしからかいあれ愛からかしら/アムロ

親父にもぶたれたことないのに、ネットでは叩かれ放題なので、テレパシーを身につけたのではないだろうか、ニュータイプは。携帯電話を使ってるうちはテレパシーを身につけられないと思う。ビッグデータなんてえのも、むしろオールドタイプが当たり前にやっ…

稚気ゆえか瓶揺らすすら夢抱え/諭吉

ラリってるラ行変格活用にメンヘラのラ変めって回った、って短歌は歌集に載りません。たとえ歌集が出るとしてもです。世界遺産になりたいならもっとガラパゴス化すればいいのに。世界に誇ったりせず日本人だけでこっそり楽しもうよう。外国人に日本を褒めて…

とんかつがうまい啄木鳥いま穿つ/カント

遠くでキツツキが木を穿っている音がする。否、あれは木を穿っているのではない。二度とない今という時間を穿っているのだ。その今を、私はこうしてトンカツを食べて過ごしている。非常にうまいトンカツである。今うまいと感じているのが他の誰でもないこの…