黒添いて来るかアネモネ明るくて/五十六

十数年わたしはこんなひきつったもようを顔と呼んでいたのか/直泰『稀風社の貢献』より。鏡を見てそう思ったなら怖いけど、壁の染みが顔に見えなくなったのであればむしろ呪いが解けたんだろう。置かれる場所や読み手の気分で意味が全く違ってしまう短歌って面白いなあと思っています。